教授からのメッセージ Message

「モデル動物を使って、ヒトの先天性疾患、がん、老化に対する防御機構を明らかにし、予防医学の推進に寄与する」
私たちの研究室は、2006年11月に九州大学生体防御医学研究所でスタートした石谷研究室(細胞統御システム分野)を母体とした研究室です。
細胞統御システム分野では、生化学とモデル脊椎動物ゼブラフィッシュを用いた発生遺伝学を駆使して細胞内のシグナル伝達機構に注目した研究を行って来ました。
特に神経細胞形成に関わるシグナル制御機構の研究や、Wntシグナルの制御機構の研究で成果を上げて来ました(Nature Cell Biol 2010; EMBO J 2012; Cell Rep 2014など)。
そして、研究のさらなる発展を期して、2017年に研究室を九大から群馬大学生体調節研究所に移し、さらに大きな発展を狙い、2019年度に大阪大学微生物病研究所に研究拠点を徐々に移すことになり、研究室名を生体統御分野(Homeostatic Regulation)としました。
生体統御分野は、その名の通り、生体(特に個体機能)を統御し、胚発生や個体の成長、成体の恒常性維持を守る未知の分子システムの探索、解析を行っていきます。特に、ゼブラフィッシュ などの小型魚類を活用した分子イメージング、ゲノム改変解析により、マウスなどの哺乳動物研究ではなし得ない、「全く新しい生命システムの発見、提唱」を狙います。また、AMEDによる老化制御拠点の分担機関にも選ばれており、超短命魚キリフィッシュを用いた未知の老化制御機構、健康寿命延伸技術の開発に挑んでおります。(最新の研究成果については、研究室公式Twitterと、プレスリリース(モルフォゲン修復機構Nature Commun 2019がん研究Nature Commun 2022老化研究Sci Rep 2022; 初期胚体軸誘導の進化Nature Commun 2023)をご覧ください(クリックいただくとリンク先に行けます)。)

最後に、私たちと一緒にサイエンスを楽しんでくれる学生さん、ポスドクを募集しています。私は高校では物理と化学を選択し、大学、大学院では生物学を専攻し、独立してからは生医研、生体調節研、微研と医学研究所で物理・化学・生物学のすべてのセンスを活かしてヒト疾患、ヒト老化の理解を目指した研究を行ってきました。時代のニーズと自身の興味に合わせ、柔軟な視点で研究を進化させてきています。このため、発生・恒常性維持・老化のいずれかに興味を持つ方であれば、どんな背景を持っている方でも自由な発想と自身の特性を活かすことができる環境が整っています。出身大学や学歴は関係ありません。熱意と向上心、そして、サイエンスを楽しみ、自分の発見で世界を驚かせたい、そういった気持ちを持つみなさんを歓迎します。本研究室の学生さんやポスドクは自身の興味に沿って研究テーマを選択し、頻繁に学会発表を行っています。当研究室は、熱意のある若者に対して投資を惜しみません。研究室主宰者の石谷は17年以上の研究室運営経験(2006年、31歳になった翌週に独立)があり、年齢からは想像できない経験(苦労??)を積んでおります。

少しでも興味を持たれたら是非一度見学にいらしてください!

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共同研究についての考え方: 石谷研究室は、多様な分野の研究者との共同研究を積極的に行いますし、共同研究提案も大歓迎です。ただし、石谷研の実験系はスペースと物理的エフォートが必要ですので、共同研究には前向きですがラボ全体としての調整が必要です。このため、石谷研究室のメンバー(スタッフ・学生)との共同研究希望・打診も、まずは石谷(ishitani@biken.osaka-u.ac.jp)にお知らせいただけますと助かります。石谷はいつも24時間以内に返信しますので、気楽に連絡ください。

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